SABICイノベーティブプラスチックス
新しいIEC規格に準拠する環境にやさしいFR Noryl*樹脂が
Vestel社の洗濯機に採用

SABICイノベーティブプラスチックスのヨーロッパのプロダクト・マーケティングおよびエレクトリカル・マネジャー、アーサー・バンダイク （Arthur van Dijk）は次のようにコメントする。「SABICイノベーティブプラスチックスは、お客様がその用途の絶えず変化する業界要件に迅速に 対応できるように真剣に取り組んでいます。SABICイノベーティブプラスチックスの材料は改正されたIEC規格に準拠しており、これによって、 VestelのようなOEMは製造の中断や遅延を回避し、製品を差別化することができます。」

IECが60355規格を厳格化し、要求の厳しい燃焼性試験であるグローワイヤー着火試験（GWIT）を含めた際に、Vestelはそのとき使用していた 既存のポリアミドに代わり、これに対応する材料を探していた。幸いなことに、SABICイノベーティブプラスチックスは、先を見越して、 ドイツの試験団体（VDE）を通してIEC 60355認可を取得した一連の難燃性材料の開発を進めていた。この材料はすでに要求される試験に合格し、 新しいIEC規格に準拠していたため、メーカーがプラスチック部品の追加試験に時間とリソースを費やす必要はなかった。Noryl NH6020樹脂を 採用することで、Vestelは優れた性能、システム・コストの削減、環境への配慮、および設計の柔軟性など厳しい条件をクリアする ソリューションを手に入れた。

品質、コスト、性能の課題に対応

IECへの準拠は、Vestelが以前使用していた既存の材料に唯一不足している点だった。Vestel洗濯機の研究開発部長、オズガー・イルマッズ （Ozgur Yilmaz）氏は次のように語る。「現行の材料では成形ひずみが発生し、これによって成形条件幅が狭まり、成形後の不良品が発生して いました。当社はグローワイヤー着火試験だけでなく、優れた寸法安定性と低ソリも実現し、スクラップ率を削減できる材料を探して いました。」

さらに、環境管理の取り組みの一部として世界の環境規制に対応するために、Vestelは塩素化または臭素化添加剤を使用しないで難燃性を 達成したいと考えた。Noryl NH6020樹脂は非ハロゲン化の難燃性とVestelの懸念事項に対処するバランスのとれた特性を提供した。

新しい洗濯機のモデルで以前の材料の代わりにNoryl* NH6020樹脂を使用することで、Vestelは不良品や部品の故障を事実上ゼロに削減し、 システム・コストを低減、安定した高品質なPCBホルダーを製造できるようになった。同社はEUのRoHS（Restriction of Hazardous Substances： 電気・電子機器における特定有害物質の使用制限）指令を始めとする環境規制に準拠することで、同社洗濯機を世界中に販売することが可能 となった。「Noryl NH6020樹脂は、当社の要件のすべてを満たし、当社が引き続き世界の家電市場で効果的に競争できるように支援して くれました。」Yilmaz氏はコメントする。

* SABIC Innovative Plastics IP BV の商標です。